ディズニー映画「リトル・マーメイド」の実写版のアリエルがひどいってホント?

ディズニー映画のリトル・マーメイドのアニメ版から32年を経て、2023年6月9日に実写版映画が公開された。

公開後、賛否両論の口コミが沸騰した。

特に、実写版のアリエルはひどい!という悪評が気になった。ホントにひどいのだろうか?

リトル・マーメイドの実写版のアリエルがひどいという口コミ、どんなのがある? 実写版とアニメ版との違いは?

なぜひどいと言われるのか?

ひどいという口コミは、アニメ版のイメージと違いすぎる!と書かれたものが多い。

口コミで多いアニメ版と実写版の違いを大きく3つあげてみた。

・実写版の主人公アリエルは黒人。アニメ版で描かれていたのは白人。

・アニメ版は印象的な赤いロングヘアがトレードマーク、実写版アリエルの女優の髪はイメージが違う。

・アニメ版と実写版で違うのは、容姿だけではなく性格も?

リトル・マーメイドの実写版がひどい?口コミ1,アリエルが黒人でアニメ版とイメージ違う?

主人公アリエルのアニメ版と実写版のイメージの違いは、一つは肌の色。

そして、もう一つは描いているヒロイン像の違いが大きいようだ。

アニメ版のアリエルは、明るく元気な女の子で、人間の世界を夢見ている。描かれているのは白人である。

実写版のアリエル役には、黒人女性のハリー・ベイリーが抜擢された。

黒人ということでアニメ版のイメージで実写版を待っていたアリエルファンは戸惑ったようだ。

なぜ黒人がキャスティングされたのだろうか?

黒人が起用されたことで、ディズニーの本拠地アメリカでは、ディズニーがポリコレの姿勢を見せたという報道もされたそうだ。

アメリカは日本より人種問題がさかんである。

ポリコレとは、簡単にいえば、人種などの違いでの偏見・差別を含まない中立的な表現、特定の人たちに不快感など与えないように配慮することである。

真偽のほどはディズニーは回答していない

悪評は、肌の色でどうというのではない気がする。

ハリー・ベイリーという人物の芯が強そうな雰囲気。それが、明るいアニメ版のアリエルと違う印象なのだ。

リトル・マーメイドの実写版がひどい?口コミ2,アリエルの性格もアニメ版と実写版では違う?

リトル・マーメイドの実写版で描かれたヒロイン像と、アニメ版のアリエルの性格を比べてみよう。

アリエルは人間の世界に興味をもち、未知の世界に憧れる。これは、アニメ版も実写版も同じ。

ただ実写版のアリエルの性格は、ポジティブなだけでない。

自分の歩む道を自分で開拓しようという、自立の精神に満ちている。

自立しようとする強さをもつ実写版のアリエルの性格が、夢見るだけの明るい女の子のアニメ版アリエルの性格とは異なる。

性格による印象の違い、それがイメージ違い。

つまり口コミの、

「アニメ版とはイメージが違った!」

というのは、描かれているアリエルの性格からくるイメージ違いが大きいように思う。

製作の監督ロブ・マーシャルは、ハリーを起用した理由をこう言っている。

「描こうとしたアリエル像にぴったりだったから」

リトル・マーメイドの実写版がひどい?口コミ3,アニメ版アリエルのトレードマーク赤い髪が実写版では?

アニメ版アリエルは、美しい海の世界で、元気に泳ぎ、長い赤い髪をなびかせていた。

その髪は印象的だった。

海の青い色に対して、アリエルの髪の赤さは、色の対比も相まって、見る人に強烈な印象を残した。

アニメ版アリエルは、この髪がトレードマークになった。

アリエルといえばこれを思い出す人も多いだろう。

対して、実写版はどうか。

人物の実写撮影では、アニメ制作で描けるような自由があまり無い。

髪については女優のヘアにゆだねる部分が多い。

実写版アリエル役のハリー・ベイリー。

彼女の髪は、さまざまなトーンの赤とストロベリーブロンドの、ドレッドヘア。

ドレッドヘアとは、アフリカ系黒人に多い細かいカール縮れ毛を、より合わせたり三つ編みに編み込んだりするヘアスタイルのこと。

より個性的に見せる反面、とても手間がかかるそうだ。

撮影にあたって、ハリーの髪は工夫された。

担当は、ヘアメイクアップ・デザイナーのピーター・スウォーズ・キングとヘア・デザイナーのカミーユ・フレンドの2人。

エクステーション、通称”エクステ”という部分つけ毛で、ハリーに合わせた赤い髪が加えられた。

ハリー・ベイリーという女性は、その風貌から、独特な個性を感じる。

実写版での彼女のハリーのヘアスタイルは、アニメ版に似たロングで、縮れ毛のイメージは薄かった。

エクステの仕上げの成果なのだろう。

自由に泳ぎ回れる人魚には、やはりなびく長い髪が似合う。

髪がなびくと自由に泳げるのが際立つ。

そんな自由な姿が、実写版のテーマの

「自分らしく生きようとするヒロイン像」

の表現に成功している。

 

ハリー・ベイリーはインタビューでこう答えている。

「私が思い描いていたアリエルは、自分とは似ていませんでした」…

ハリー自身も、アリエルのイメージは、我々と同じようにやはりアニメ版の女の子を思い浮かべてたのだろう。

ひどいという口コミは、アニメ版の慣れ親しんだイメージとの違いなのだろう。

単に慣れているのが白人の赤い髪のアリエルだからかもしれない。

リトル・マーメイドの実写版がひどい? アリエル役に歌手・女優のハリー・ベイリーが抜擢されたわけは? 監督の言葉が語る

リトル・マーメイドの監督はロブ・マーシャル。

ヒット作『シカゴ』や、ディズニー映画『メリー・ポピンズ リターンズ』などを作ってきた名監督である。

インタビューで、この作品で描こうとした「アリエル像」と「ハリー」について語っている。

「アリエルは、自分なりの考えを持っていて怖れがない女性。ハリーにも、自分の望み通りになると信じている純粋さがあった」

また監督は、オーディションで確認したことをこう言っている。「アリエルは10代の少女。それを演じるには、強さ、情熱、勇気、加えてある種の素朴さや無邪気さを兼ね備えていなければならない」

このように、先に、監督が思い描いていたアリエル像があった。その要素を、ハリーは持っていたのだ。

 

余談だが、そんな風に抜擢されたハリー・ベイリーという女性である。

どれほど強い女性かとおもいきや、オーディションにつてのインタビューの言葉で、親しみやすい一面を見せた。

「オーディションのことで覚えてるのは震えたことだけ。お腹はぐるぐるなって、大変でした。いつもすごく緊張するんです」

リトル・マーメイドの実写版がひどい? アリエル役ハリー・ベイリーは歌姫ビヨンセも認める歌手! 挿入歌は格別!

ハリー・ベイリーがアリエルに抜擢された重要な理由がもう一つある。

それは歌だ。

ディズニー映画にとっての歌は、映画の顔になる大切な要素。

ハリー・ベイリーは、アメリカで有名な音楽賞のグラミー賞に計5回ノミネートされている実力歌手だ。ノミネートは「The Kids Are Alright(2019)」で2部門、「Ungodly Hour(2021)」で3部門。

ハリーは女優として、子役から活動していた。

音楽の方も8歳から作曲を始めたという。

姉クロエと2人でポップ系の「クロイ&ハリー」というR&Bデュオを結成。

YouTubeへの楽曲カバー動画やディズニー関連のプロジェクトで、ネットの世界で話題を呼んだ。

これが、大物歌手ビヨンセの目にとまり、ビヨンセのレーベルと契約した。

16歳の時には、ビヨンセのコンサートの前座も務めた。

新しい時代の歌姫なのだ。

 

リトル・マーメイドに抜擢されたのも、2019年のグラミー賞授賞式がきっかけだ。

姉のクロエと一緒にこの授賞式で歌を披露した。

そこに居合わせた監督ロブ・マーシャルが、ハリーを天使のようだと叫んだという。

こうしてハリー・ベイリーのアリエルで制作されたリトル・マーメイド実写版。

「ハリーの歌が素晴らしい!」という口コミも多い。

アニメ版から30年以上経っていると、アニメ版を見ていない人も多くなり、そんな先入観無しの見方の人の評価は、彼女の歌は格別という。

そういわれているハリーの歌う挿入歌は、バラードで、曲名は「パートオブユアワールド」(Halle Bailey/Part of Your World)

アニメ版とイメージが違う!という口コミは、逆にいえば、まったく違ったアリエルが新たに誕生したということ。

ハリーは、監督の期待を背かなかった。

監督が思い描いていた自立したアリエル像を演じた。

ハリーの歌を一度聞いて確かめてほしい。ハリー・ベイリーが抜擢されたわけに納得されることと思う。

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