実写版が2019年に公開されたディズニーのミュージカル映画『アラジン』。
アニメ版は1992年公開だったが、主役の魔法のランプの魔人ジーニーが歌う挿入歌”フレンド・ライク・ミー”は、このミュージカルの中で一番楽しい歌だ。
ジーニーはアラジンに向って、この歌を歌って踊りながら、自分の魔法を自己紹介する歌になっている。
日本語吹き替え版の日本語歌詞も、アニメ版と実写版があり、これらの歌詞が違うらしい。
どう違うのか、検証してみよう。
ちなみに、アニメ版、実写版とも映画冒頭あたりに、”アラビアンナイト”という歌が流れうが、この歌もランプの魔人ジーニーが歌っている。
- ”フレンド・ライク・ミー”アニメ版の歌詞違う?『アラジン』ジーニーの「旦那ってば!」から始まる歌日本語題名”ボクは大親友”
- ”フレンド・ライク・ミー”を生み出した作詞作曲の黄金コンビ『アラジン』ジーニーの歌の歌詞
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”フレンド・ライク・ミー”アニメ版の歌詞違う?『アラジン』ジーニーの「旦那ってば!」から始まる歌日本語題名”ボクは大親友”
1992年『アラジン』アニメ版のジーニーの歌、
”フレンド・ライク・ミー”の歌詞を見ていこう。
日本語で題名は「ボクは大親友」あるいは「最高の相棒」。
セリフ(ジーニー)の「旦那ってば!」から始まり、「そう!アリババには40人もの盗賊(とうぞく)がいた」から歌いだす歌詞です。
この歌詞の作詞は、音楽評論家であり作詞家・翻訳家の湯川れい子さんだ。
湯川さんは、『アラジン』に匹敵するくらい人気があるディズニーのミュージカル映画『美女と野獣』の、アニメ版(1991年公開)でも活躍している。
ポット夫の歌う挿入歌、映画の題名と同じ曲名の”美女と野獣(ビューティ・アンド・ビースト”の日本語歌詞を作詞したのが、湯川れい子さんなのだ。
湯川さんは、英語の歌が元になっているとは思えない程たくみな作詞で、この歌を作ってくれた。
英語の文章を日本語にすると、文化の違いでどうしても、どこか違和感がでるが、
英語の歌詞は特に、韻を踏む単語が使われるので、日本語訳は特に難しい。
また、英語の単語をそのまま日本語の言葉にしても、メロディに乗らない。英語の歌詞は、音1つに一つのイントネーションを乗せるので一つの音に1単語ということが多いからだ。
ジーニーのユーモアで綴られている歌詞だが、
英語の文化圏のユーモアが、日本で通じるとは限らない。だから筆者などは、英語を訳すると、つい単語の直訳では日本の文化に通じないところを説明を追加したくなる。
湯川さんは、ジーニー英語のユーモアを、日本の文化圏で通じる違う言葉を、この作詞をされたと思うのだ。
”フレンド・ライク・ミー”は特に、初登場ジーニーのコミカルな個性を表すために、次から次へと言葉を畳みかけるように、リズムに乗って、歌詞が進む。
前述の引用の歌詞を並べてみて思ったのだが、
歌1曲にしては歌詞がやたらと長い。
これは、1フレーズがとても短いからだ。タンタンと早いリズムにのる単語でできた歌なのだ!
短いフレーズに早いリズム。訳の足りない所を補う説明を追加するような余裕はない。
日本語歌詞を、こんな愉快な歌にした作詞家湯川れい子の快挙に、拍手を送りたい。
”フレンド・ライク・ミー”を生み出した作詞作曲の黄金コンビ『アラジン』ジーニーの歌の歌詞
そして、何といってもこのミュージカル映画『アラジン』の挿入歌で人気曲”フレンド・ライク・ミー”の作詞・作曲。誰かと言えば!?
作詞が、ハワード・アッシュマン(Howard Ashman)
作曲が、アラン・メンケン(Alan Menken)
である。
この2人は、グラミー賞もとったミュージカル映画『美女と野獣』のテーマソング”美女と野獣”の、作詞・作曲と同じゴールデンコンビだ。
ジーニーの”フレンド・ライク・ミー”も、この最強のコンビが担当したのだから、
歌詞じゃなくとも、
最強!最高!の歌が出来上がったのだろう!
コミカルで楽しくなるこの歌が、大人気なのも、筆者はなるほど~と思ってしまう。
”フレンド・ライク・ミー”日本語歌詞と字幕版英語歌詞の違い?『アラジン』アニメ版の字幕版で聞ける英語”Friend Like Me”ロビンの声が最高!
ミュージカル映画『アラジン』の挿入歌で、ジーニーが歌う”フレンド・ライク・ミー(Friend Like Me)”。
アラジンが最初に魔法のランプをこすって、大きなジーニーが出てきた。驚くアラジンに向って、ジーニーは自己紹介する。様々な姿に変身しながら、自分の魔法の力をアラジンに披露するわけだ。
1992年公開のアニメ版にも、日本語吹き替えと日本語字幕版がある。
”フレンド・ライク・ミー”の歌詞が違うという噂は、
この日本語吹き替え版の日本語歌詞と、元の英語の歌詞での和訳と違うという意見もあるかもしれない。
字幕版で聞ける元々の英語『アラジン』で、このジーニーの声を担当したのは、亡き個性派名優ロビン・ウイリアムズである。
ロビン・ウイリアムズは、コメディアンでもあり、いろいろな声を持つことで知られていた。
ジーニーは自己紹介で、いろいろ姿を変えてはいろいろな声色に変えているが、
これこそ、ロビン・ウイリアムズの真骨頂だろう。
ロビン・ウイリアムズと言えば、映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1998年)で、心に傷を負った先生役を演じているのが、有名かもしれない。この作品で、彼はアカデミー助演男優賞に輝いた。他にアカデミー賞には4回ノミネートされた。
他に、ドラマでエミー賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞、歌でグラミー賞など、ロビン・ウイリアムズの受賞は多く、彼の多才を裏付けている。
ミュージカル映画でもある『アラジン』のアニメ版冒頭には、”アラビアンナイト”という歌が流れるが、この歌もロビン・ウイリアムズである。
この冒頭シーンは、本編の伏線シーンで、魔法のランプが隠されている洞窟が映る。
暗い砂漠の真ん中、暗い夜に洞窟が恐ろしく光っている。その怪しげな雰囲気と、そこに入ろうとする商人らしき人がいるが、何者か解らない。
そんな不思議なオープニングで、映画『アラジン』の不思議な中東の世界へ私たちを引き込むのが、彼が歌う”アラビアンナイト”なのである。
この歌は、かなりしゃがれた声で、本編のコミカルな明るいジーニーと同じ人が担当しているとは、ちょっと分からないほどだ。
”フレンド・ライク・ミー”歌詞違う?雰囲気明るい日本語吹き替え版『アラジン』ジーニー役声優、山寺宏一の歌の大ファン?!
さて、そんな『アラジン』の日本語吹き替え版だが、
日本語吹き替え版のジーニーも、英語のジーニー、ロビン・ウイリアムズに負けてはいない。
ジーニーの声を担当したのは、日本が誇る声優の山寺宏一だ。
映画『アラジン』の冒頭に流れる”アラビアンナイト”も、自己紹介の歌”フレンド・ライク・ミー”も、彼が熱唱している。
山寺宏一も、ロビン・ウイリアムズのように7つの声を持つと言われる多才なタレントのようだ。
肩書をいくつももっていて、声優、歌手、ナレーター、司会者、俳優、ものまねタレント、ラジオパーソナリティなど。
彼が歌う”フレンド・ライク・ミー”は、ジーニーの愉快なキャラクターを、十分どころか、100倍!200倍!も楽しませてくれる。
また、山寺宏一が歌う”アラビアンナイト”は、ロビン・ウイリアムズとは歌い方が違って、迫力ある声で歌いあげている。
『アラジン』はミュージカル映画なので、歌による印象の違いは大きいと思う。
筆者は、日本語吹き替え版は楽しい雰囲気満載で、まさしくファミリー向けのファンタジーのエンターティンメントと言った感じを受けた。
少し話がそれるが、
日本語というのは、英語より発音のトーンが比較的高い。
これは、英語を発音する口と舌と、日本語では違うことからくるようだ。例えば日本語にはない英語の”r”や”th”の発音を、実際に試してみてほしい。あまり高い声は出しにくいと思う。
このように、日本語のトーンが高いので、
英語の映画の日本語吹き替え版を見た後に、字幕版の英語を聞くと、全然違う印象を受けるかもしれないのだ。
どちらにしても、アニメ版の『アラジン』のジーニーの声優は、2人とも名優の名演技だ。
字幕版ではロビン・ウイリアムズの声のイメージが最高だという人も多いし、
日本語吹き替え版の山寺宏一の声のジーニーの大ファンだという人が多いのも、当然だ。
どちらが良いかというより、好みだろう。
”フレンド・ライク・ミー”実写版で歌詞違う?『アラジン』実写版の歌詞はラップに変身?
次に、2019年『アラジン』実写版のジーニーの歌、
”フレンド・ライク・ミー”の歌詞を見ていこう。
セルフから続き、「いくぞー!」から始まります。
歌詞は、「そう、アリババには40人盗賊とうぞくがいたけどさ」から始まります。
歌詞の途中に、この実写版ならではの演出がありました。
「ハッとするだろ!? オレって最高!」と一番を歌ったところで、
ここで舌を鳴らすポッピングが入ります。「タンタタタタタ タタタタタタタ」といった感じです。
ラップぽくしゃっべっているように歌って、
「「チョイとランプをこするだけ」と歌い、「ミスター…」と、名前が解らないので、アラジンに目線を送ります。
すると、アラジンは、
「アラジン」と
自分の名前を答えます。
こんな楽しい掛け合いが、この実写版の歌にあるのです。
こうしてみると、この実写版の歌詞はアニメ版より少し長いようだが、
スタイリングやイケメン、24時間営業など、アニメ版の歌詞になかった言葉が加わった。現代の言葉だ。これのせいでアニメ版とは違う印象を受けるかもしれない。
ところで実写版では、豪華な衣装も話題になった作品である。スタイリングという歌詞は、その後のアラジンの願いである王子に変身するへの暗示だろう。
一番の違いは、歌詞にも盛り込まれた”ラップ”。アニメ版より、よりラップになっているのが、実写版”フレンド・ライク・ミー”の特徴だろう。
作詞は、元歌のとおりで作詞/ハワード・アッシュマン(Howard Ashman)、作曲/アラン・メンケン(Alan Menken)の歌をアレンジしたもののようだ。
実写版公開は2019年なので、アニメ版の1992年から27年も経っている。
1世紀の4分の1も経っているので、役どころの設定も変化している。ジャスミン王女は具体的な目標を持つなど自立心が大きい。
ジーニーのこの歌も、言葉が具体的になった。キャラクター人物像も時代に合わせているのだろう。
”フレンド・ライク・ミー”歌詞が変わった?『アラジン』実写版のCGジーニーのウイル・スミスの歌 アニメ版より人間よりの魔人
実写版『アラジン』でランプの魔人ジーニーを演じたのは、ハリウッドを代表するドル箱スター、ウィル・スミスである。
『メン・イン・ブラック』のように、コメディでのヒット映画の出演もあるように、ウィル・スミスそのものが、ユーモア満ちたイメージ作りの俳優だと思う。
実写版が出ると必ずアニメ版との違いが話題になる。特にアニメ版での良い所が違うと、時には”ひどい!”という評判にもなるようだ。
一番ひどい口コミは「ウイル・スミスがウイル・スミス過ぎる!」というものだ。
どういうことか考えたのだが、
どうも青くて宙に浮いているジーニーというのはファンタジーの生き物?…アニメ版ではロビン・ウイリアムスは嗄れ声から甲高い声でその不思議な生き物?を作っていた。
なのに、ウイル・スミスは人間ポイすぎるということかもしれない。
彼が演じたジーニーは、アラジンにタメ口をきき、フレンドリーで、アラジンの言葉に一喜一憂する、パーティを楽しんだり自分もジャスミン王女の侍女に恋をして結婚したり、
一番は、この”フレンド・ライク・ミー”の歌詞で言っているように、「どこにもいない」けど、人生を共にする「最高の友達」、というような、アラジンとの友情を全面にだした。
実写版の歌詞がアニメ版のと、このように違うようにしたのは、監督がこの友情を描きたかったからだと、筆者は考える。
ところで、このウイル・スミスが歌う実写版『アラジン』”フレンド・ライク・ミー”だが、前述のように、アニメ版より、もっとラップにアレンジされている。
アニメ版より少し長くなって、中ほどの歌詞もアニメ版と違うところがある。
筆者が書いたポッピングというのが、ラップっぽい。21世紀風だ。
早口、饒舌、セリフ連発。思わず体がリズムを取る。
実際に映像で、アラジンを躍らせている。
ラップアレンジはウイル・スミスならかもしれない。
彼は、俳優のほかにラッパーの顔も持っている。
ラッパーとしての芸名「ザ・フレッシュ・プリンス」を名乗る歌手だったのだ。
こう聞くと、どおりでジーニーのジョークを連発にぴったりなキャスティングだと感心する。
実写版の冒頭では”アラビアンナイト”の歌はない。代わりに、ウイル・スミスとその子供たち2人と妻だと思われる女性が出てくる。ここはアニメ版には無い設定で、大きく違っている。最初からジーニーが【人間として登場してしまう!】これを良い伏線とみるか、種明かししすぎとみるか、意見が分かれるだろう。
アニメ版では、ジーニーの正体や結末はぼかしている、冒頭から、これはジーニーなの?と疑問に思うシーンがあり、ランプを売る商人の後、ぎゃふんとなる姿。物語にどうつながるのか少し難しい。そうでなくとも、ランプに閉じ込められた魔法使いという訳が解らない存在なので、
アニメ版ではジーニーについて疑問が残る。アニメ版の商人がジーニーであることがはっきりしたのは、2000年代に入ってからの監督がマスコミの質問に答えてからだ。
実写版では、その疑問は残らない。…ようなストーリーにしたのかもしれないが。
だから、ウイル・スミスは、より人間に近い演出で、アニメ版の怪しげな方が良かった、などという声があるのだろう。
さて、ウイル・スミス演じるジーニーの、
と言いたいところだが、
上半身しかない大きな体のジーニー、しかも、体だけでなく顔も頭も青いジーニー、
この映像は、ウイル・スミスをモデルにした完全CGだそう。
なので、ウイル・スミスのCGのジーニーが!歌う”フレンド・ライク・ミー”ということになる。
もちろん挿入歌になっている”アラビアンナイト”の歌も、ウイル・スミスが歌っている。
筆者はこの歌を聞いて、ロビン・ウイリアムスの”アラビアンナイト”とは全く違う印象だと思った。
実写の”アラビアンナイト”は、街の生命力を歌っているように感じた。歌のバックのアグラヴァの街に行きかういろいろな人々の生命力、アラジンの、ジャスミンのも、ジーニーのもである。
時代背景といえばそれまでだが、
より生きる事の難しさが問われる時代の作品だからこそ、ジーニーの歌も変わったと思う。
歌い方もジーニーキャラクター作り
配役が決まって、人間のウイル・スミスがどうすればジーニーになれるのか話題になった。
予告編でCGの青い姿が発表されて、
今度は「青いウイル・スミス」と話題になった。
アニメ版と同じ体である。監督も、ジーニーの姿はアニメ版と同じにしたわけだ。
ウイル・スミスは、アニメ版ジーニー役ロビン・ウイリアムの後発俳優だが、彼に負けないくらい、3度のアカデミー賞受賞、歌のグラミー賞を3回と、受賞歴を持つ俳優だ。
しかしウイル・スミスは、この『アラジン』実写版の作品制作時、既にロビン・ウイリアムズが亡くなっていたことから(2014年没)、
それまでの『アラジン』の顔であった強いキャラクターをジーニー作ったロビン・ウイリアムズを、ウイルスミスは超えるか?!取りざたされた。
これにについて、ウイル・スミスは、インタビューで、
ロビンをリスペクトしていることと共に、ロビンが注入したのと同じことをするまで、と決意を答えている。
”フレンド・ライク・ミー”歌詞まとめ。アニメ版と実写版の時代の違い、日本語吹き替え版字幕版で聞く『アラジン』ジーニーの歌
実写版『アラジン』は、アニメ版『アラジン』から4半世紀後に作られたので、ジーニーの劇中挿入歌”フレンド・ライク・ミー(ボクは最高の友達)”の歌詞は、時代背景で、アニメ版と実写版の日本語吹き替えの日本語歌詞は比べると少し違う。
違う印象を受けるのは、英語と日本語の違いにもよる。
もちろんジーニー役の声優・俳優の違いにもよる。ロビン・ウイリアムズとウイル・スミス、ウイル・スミスと山寺宏一、等あるが、
違いで大事なのは、4半世紀を経た2つの作品日本語版を加えると4作品で、この『アラジン』というミュージカル映画で何を言いたかったかによる、
と筆者は思いながら見比べてみた感想である。
機会があったら、視点を様々な角度に変えて、これらの世紀に残るディズニー映画『アラジン』アニメ版、実写版、そして、日本語吹き替え版、字幕版をみてはどうだろうか。
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